今を綴った一冊📚あのときの「自分」に言ってあげたいこと

——『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること』より

こんにちは。たぬきです。毎年不登校に苦しむ生徒は絶えません。そんな彼らに読んで欲しいと図書館に入れたこの本を紹介します。


「大丈夫」はいらなかった——本当に欲しかった言葉

不登校の理由は、一つじゃない。

そして、誰にも簡単には分からない。

石井しこうさんのこの本には、自身が中学2年生で不登校を経験した“当事者のまなざし”が、まっすぐに綴られています。

「がんばって」「大丈夫」なんて言葉じゃなくて、あのときの自分が、本当に聞きたかったこと—それを、キレイゴト抜きで届けてくれる一冊です。

「不安」は自然なこと——心も体も、ちゃんと守って

不安を感じるのは自然なこと。身体症状が出たら止まること。

無理に前向きにならなくていい。

無理に学校に行かなくていい。

体が動かないときは、それだけ疲れているってこと。

「止まる勇気」は、逃げじゃなくて、生きるための大切な選択。

「家庭訪問が嫌なら断っていい」

気を使って、笑顔をつくって、疲れるだけなら断っていいんです。

家が「安心できる場所」であることの方が、ずっと大切。

誰に気を使わなくたって、あなたの空間は、あなたのものです。

「いじめた人」を許さなくてもいい

許すことが「大人」だと思ってた。

でも、あの時、心にできた傷は、いまもちゃんと覚えている。

忘れなくていい。無理しなくていい。

傷ついた「あなた」が悪いんじゃない。

許さないと決めることも、自分を守るための行動です。

髪を切ることさえ、できなくなる日もある

不登校になると、意外なところまで動けなくなる。

たとえば、美容院や床屋。「学生さんですか?学校は?」などと聞かれたくない。

でも、著者は「セルフカット」でさっぱりしたって言います。

鏡の前でハサミを持ったその時間が、自分の手で自分を整える、小さくても大きな一歩だったのかもしれません。

「申し訳ない」と思わなくていい。あなたは闘っている

勉強ができていないこと。

人と話せないこと。

家にずっといること。

全部、「申し訳ない」って思ってた。

でもそれって、自分をすり減らしているだけ。

何もしてないように見える日だって、

あなたは心の中でずっと「闘っている」。

「週一登校」でほめられるのがしんどい理由

がんばったね!

えらいね!

たしかに、そう言ってくれる人は優しいのかもしれない。

でも、何かモヤモヤする。それは「今の自分」の否定だから。

つらいのは当たり前。わかる人には、わかる。

今がよければ、過去も変わる——敏感すぎるのは「気質」

苦しかった過去が、あとになって「意味があった」と思える日が来る。

敏感すぎるのは、弱さじゃなくて、人よりも多くのことを感じ取れる「あなたの気質」。

それは、痛みを抱える人にそっと寄り添える力でもあります。

「何ヶ月も勉強してない」——それでも大丈夫

タイミングは、人それぞれ。「やる気」が湧くのを待つしかないときも、あります。

焦らなくていい。「その気」が来るまでは、無理に動かなくていい。

だからこそ、始めたときのあなたは、きっと強い。

「黒歴史」も、いつかは宝になる

黒歴史は、いずれ財産になる。

恥ずかしかったあの日々も、誰かを救う言葉になるかもしれない。

この本の一番大きな魅力は、「過去の自分に向けた言葉」が、そっくりそのまま、いま苦しんでいる誰かの「支え」になっているところです。

だから、「いま」うまくいっていない自分も、「未来の誰かのため」に意味を持つ日が来るかもしれない。

そんな希望を感じさせてくれるのです。

たぬき的メモ

  • 「止まっていい」とは、なかなか言ってもらえない言葉。でもこの本は、ちゃんとそう言ってくれる。
  • 不登校は「サボり」じゃなく「闘い」——それが何度も繰り返される。
  • どの言葉も、「誰かを元気づけるため」じゃなく、「あの頃の自分を守るため」に書かれているのが伝わってくる。
  • 読み終わったあと、自分を少しだけ許せるようになる本。

あとがきのようなたぬきのひとこと

この本は、やさしすぎるくらいやさしい。

でも、甘やかしているわけじゃない。

ちゃんと痛みを知っている人の言葉だからこそ、どんなにボロボロでも「そのままでいいよ」と言ってもらえる気がしました。

まだまだこの本の魅力は伝えきれていません。この人の言葉で読んでみて。

プロフィール
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たぬき

こんにちは、たぬきです。
高校で国語を教えながら、学校図書館の運営もしています。
本のこと、野球のこと、ゲームのこと…
気の向くままに、よりみちしながら綴っています。📕
ふらっと立ち寄ってもらえたらうれしいです。🌱

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