やわらかな物語たち📖『カフネ』——誰かの手が差し伸べられる瞬間の、あたたかさ

こんばんは、やっと土曜日が来ましたね。でも夕方になってやっと疲れが取れてきたような気がしているたぬきです。そんな悩み、皆さんにもありませんか?

疲れて家事をするのが億劫。こんな気持ち私だけかな。そんなことを考えている時は、ぜひこの本を読んで下さい。私は読み終わったあと、しばらく余韻から抜けられませんでした。
阿部暁子さんの『カフネ』――今年の本屋大賞に選ばれたのも納得の、
ほのぼの×ミステリー×社会性という、絶妙なバランスの物語です。

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険悪な感じの冒頭


物語は、最愛の弟を突然亡くした姉・薫子が、
弟の元恋人・せつなと会うところから始まります。

無愛想で、何を考えているのかさっぱりわからないせつな。
弟の死に戸惑い、悲しみと怒りでいっぱいの薫子。
ふたりの最初の空気は、決してやさしくはありません。

でも――

疲れ果てて倒れた薫子に、せつなが振舞ったのは、心のこもった手料理。

そのあたたかいご飯に、薫子の心がふわっとほどけていく描写。
そこにこの作品のやさしさが詰まっているように感じました。


やがて薫子は、せつなが働く家事代行サービス「カフネ」に関わっていくことになります。
日々のなかで出会う依頼人たちは、どこかみんな疲れている。
でも、その疲れを誰にも言えずに抱え込んでいる。

物語を読みながら、「私もそうかもしれない」と思う人、きっとたくさんいるのではないでしょうか。

誰かが片付けてくれたきれいな部屋。
誰かがつくってくれたご飯。
「それだけのこと」で、心が救われることがあるんだと、この本はそっと教えてくれます。


個性的すぎる登場人物たち

正直に言うと、読みはじめの頃は、
「この登場人物たち、みんなちょっと無理…」と思っていました。
どの人も一癖も二癖もあって、近寄りがたい。

でも、読み進めるうちに、それぞれの背景が見えてくると、
だんだんとその“無理”が、「愛しさ」に変わっていくんです。

人って、本当に単純にはわからないものだし、
わからないからこそ、関わることで見えてくるものがある。

ページをめくるたびに、それを実感していきました。


そして、あっという間に読み終わってしまいました。
読み終わるのが惜しくなるような、
「もうちょっと、あの世界にいたい」と思わせてくれる作品でした。


📌 たぬき的・ぐっときたポイント

  • 美味しいご飯が「言葉以上のやさしさ」として描かれていること
  • 片付けるという行為が、誰かの「再出発」になること
  • 個性的な登場人物たちの奥にある「やさしさ」が少しずつ明かされていく流れ
  • タイトル『カフネ』の意味に、じんわり心があたたまること

📖あとがきのような、たぬきのひとこと

人が作ってくれたご飯って、どうしてあんなに美味しいんでしょうね。
誰かが整えてくれた部屋に入ると、
「この空気に助けられてるな」って思うこと、ありませんか?

『カフネ』は、そんな「人の手のありがたさ」を思い出させてくれる物語でした。

読書って、登場人物だけでなく、自分自身のことも見つめ直す時間なんだなと、改めて感じます。

そして今はただ、思うのです。

誰か私に『カフネ』のチケットをください。


たぬき文庫のよりみち帖、
今日は「あたたかい手とやさしい味」を運んできてくれる物語をご紹介しました🍲📖

また一冊、そっと誰かに手渡したくなる本に出会えました。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました😊

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