
おはようございます。たぬきです。今日は「読む」ということについて考えさせられたこの『小説』という小説を紹介します。
主人公は大の本好き

2025年本屋大賞にノミネートされていなかったら、
私はこの本を読んでいなかったと思います。
タイトルは『小説』。
あまりに潔く、そして挑戦的で、構えてしまう名前です。
だけど読み始めると、不思議とすっと物語に引き込まれました。
内容が「わかりやすいか」と言われると、決してそうではありません。
むしろ、ストーリーらしいストーリーが見えてこないまま進む前半。
でも、なぜか心地よい。
それがとても不思議でした。
主人公の内海集司。
彼の本好きの度合いは、ただの読書家ではない、どこか狂気じみた域にあります。
書くことを提示されても断固として断り、「読むだけじゃ駄目なのか」と言い出すほど。
物語の中で本を読む彼を見ていると、自分の読書への向き合い方が、
どこか“甘かったんじゃないか”と問いかけられている気がして、
私はちょっと縮こまってしまいました。
ブログにこうしてアウトプットしている自分は、
果たして“本好き”として成熟しているのか。
内海の姿を通して、そんな問いを突きつけられたように感じます。
自分のために物語を紡いでもらう幸福
でも、この本の魅力は、そこだけじゃありません。
物語の中盤、ようやく少しずつストーリーの輪郭が見えてきます。
内海の友人の外崎が物語を書き、それを内海が読むという構図。
この「書く人」と「読む人」の関係が、
まるで「知音」の伯牙と鐘子期のようで、とても印象に残りました。
書く人が思いを込めて書き、
読む人が、そのすべてを受け止める。
その行為自体が、すでにひとつの物語なんだと、気づかされました。
そして、ラスト。
「髭先生」の書斎のシーン。
本が好きな人なら、あの場面で涙をこらえられる人は少ないと思います。
私は自分でも驚くほど、すっと涙が出ました。
たぶんそこには、言葉では言い表せない「読書の記憶」が重なったのだと思います。
ページをめくるあの時間。
心が揺れたあの瞬間。
「読んできた人生」と「この物語」が、どこかで静かに交差してしまったのだと思います。
📌 たぬき的・心に残ったこと
- 前半のなぜか心地よい読書時間
- 「読むだけじゃ駄目なのか」、という問いかけ
- 後半のストーリーはほとんど至福。
- あの書斎シーンでこぼれた涙が、自分でも説明できないほど自然だったこと
📖あとがきのような、たぬきのひとこと
『小説』というタイトルは、
読む前には「なんて大胆な」と思わせて、
読んだあとには「これしかない」と納得させてくる、
そんな不思議な力を持っています。
この本は、「物語」を味わうのではなく、
物語と一緒に「考えることを楽しむ」本なのかもしれません。
そして、こうして言葉にしてみて、ようやく気づきました。
私はまだまだ未熟だけれど、
やっぱり本が好きなんだなって。
たぬき文庫のよりみち帖、
今日は「読むということそのものを問いかける」一冊をご紹介しました📚💭
読書って、やっぱり奥が深い。
最後までお読みくださって、ありがとうございました😊

